栃木県宇都宮市のベンチャー企業「エネルギー応用技術研究所」は、電気自動車(EV)に車載できる急速充電器と大型蓄電池の2つの充電システムを開発。中国で実用化に向けて動き出す。
どちらのシステムも1台あたり5分程度で充電できるほか、急速充電器を使うと一度に複数のクルマの充電も可能になるという。
急速充電器、車載可能な小型サイズに
太陽光発電などによって蓄積した大容量の大型蓄電池を開発。これまで、一般的に電力会社の電気系統だけで急速に充電しようとすると電気がショートして蓄電池がパンクするという問題が起きていた。しかし、この大型蓄電池はEVカーの蓄電池に電気を送電する時に、電力会社の電気を一たん貯めてから充電するため、ショートしないで充電できる仕組み。2011年に特許を取得した。
一方、急速充電器は、2013年に特許を取得。一度に異なる種類のEVを充電でき、また1台あたり5分程度と充電時間が短くなる。大きさは、従来のものだと一般的なタイプで郵便ポストくらいだったが、同社が開発したのは郵便ポストの5分の1ほどの大きさで、車載することができるという。
同社と中国の投資家らで合弁会社の設立を決めたところ、ガソリン車の排気ガスなどによる大気汚染が深刻な、中国の自動車メーカーが積極的だったため、中国で実用化に向けて動き出す。
J‐CASTニュースの2017年11月10日の取材に、同社は「今回開発した充電器によって、これまでEVの課題とされてきた長い充電時間の問題を解決できるはずだ」と話した。
同社は2006年に創業。低炭素社会、持続可能社会の実現のためのクリーンエネルギー技術などを提供している。