18年3月期の黒字転換を期待
一方、会社四季報の最新銘柄レポート(2017年7月26日号)によると、日揮は「期初受注残16%減も、受注は7500億円(前期5062億円)と回復計画。完工高ほぼ横ばい。前期あった複数の大型不採算工事の悪影響消え粗利が底打ち。営業益浮上」とあり、今期は黒字転換がうかがえる。
遡って、6月1日付の日本経済新聞には「日揮はアフリカ東部のモザンビークで洋上液化天然ガス(LNG)プラントを受注した。日揮の受注分は約1500億円。資源価格の低迷でLNGプラントの新設案件は滞っていたが、新興国など今後の需要増を見越した大型投資が動き出した」とあった。
記事によると、LNG市場は足元ではだぶついているものの、中国やインドなどの需要が急増しており、2023~24年には需要が供給を上回るとの見方が支配的という。「LNGプラントを完成させるには5年程度かかるため、需要回復を見込んだ大型投資がそろりと再開し始めた」としている。
そんな日揮株を最初に購入したのは2017年3月22日。この日は、前日の米ニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が大きく下げ、これを受けて東京株式市場は安くはじまり、日経平均株価は前日比414円安の1万9041円で引けた。東証一部の9割の銘柄が値下がりする、ほぼ全面安の展開のなか、2000円で100株指値買いを入れた。
その後の7月25日には下げたところを、1760円で100株買い増し。これまでの株価の推移をみると、16年3月期が当面の底と見てよさそうだ。
株式投資のうえでは、企業が赤字から黒字に転換するときは、「買い」のチャンスと考えている。株価をみると、10月31日現在で1889円。これは2018年3月期の業績回復(黒字転換)を考えると、割安なように思う。これはもしかしたら、絶好の「買場」ではないのか――。
今後、原油価格の下落、中東などの政治的に不安定な地域での戦争・テロによる工事の遅延、新規案件の延期などのリスク要因をきっかけに、株価がもう一段下げる場面があれば、買い増すつもりでいる。
原油価格の上昇にともない、新興国など今後の需要増を見越した大型投資の動きが加速することで、さらなる企業業績の改善につながることも見込める。
2014年1月14日の高値(4259円)を考えれば、期末予想配当(25円)を楽しみに、長期に保有してもいい。11月9日の18年3月期第2四半期(4~9月期)決算の発表で、株価が上がるのではないか。そう思うと楽しくなる。(石井治彦)
2017年10月31日現在 200株保有 平均取得単価1901円40銭
年初来高値 2017/3/13 2183円00銭
年初来安値 2017/5/31 1658円00銭
直近 終値 2017/10/31 1889円00銭