医療関係者の皆様へ研修をする機会が多く、頻繁に病院や介護施設などへ出入りする際に毎回思うことがあります。
「どうしてお医者さんは白衣に手を突っ込んで歩いている人が多いんだろう?」と。
人前でポケットに「手」、偉そうに感じません?
じつは、この件についてはずいぶん前に本コラムでも掲載いただいていまして、お医者さんたちからの回答としては「先輩ドクターがしているから」とか「無意識」などがありました。
いずれにしても、要はポケットに手を突っ込む必要性はないということなのです。
では、医療現場だけでなくオフィスではどうかというと、ズボンのポケットに手を突っ込んでいる男性の姿を、時々見かけます。休憩中や廊下での立ち話の際は良しとして、プレゼン中や講演会でスピーカーの方が片手にマイク、反対の手はポケットの中だと「偉そう」に感じて、聞く耳を閉ざしたくなります。
ご存知の方も多いと思いますが、スピーチをする際の所作はとても大事です。
腕組みをすれば威圧的に見えます(心理学では相手を拒否するしぐさとも言われていますね)。猫背だと自信がなさそうに見えるし、逆にふんぞり返れば偉そうです。
腰に手をあてていれば、面倒臭そうにも見えます。たまに腰痛持ちで立っているのがつらいんだろうか? と心配になることも。そして、ポケットに手を突っ込むです。
見た目の印象は大事
図々しい私はついご本人に聞いてしまうのですが、多くの方は「癖です」とおっしゃいます。「ポケットに手を入れると立っている時の姿勢が安定する」との回答もありました。
なるほどとは思いますが、やはり人前で話す際にはこれらの所作は避けたほうがいいと思います。
見た目の印象は大きいです。そこでマイナスな印象を持つと肝心の話を聞いてくれなくなってしまいます。人は見た目じゃない! 中身が大事だ! とも言われますが、やはり感じがいいなと思った人の話はちゃんと聞こうと思うものです。
せっかく時間をかけて準備して人前で話すのですから、内容だけでなく自分の所作の準備までして臨むほうが一番伝えたいことが相手に伝わるのではないでしょうか。
さて、話は戻りまして、これからの寒い季節はポケットに手を突っ込むと温かいですが、転んだ時には顔面直撃しますから、反射神経よく両手が出ない方は手袋を利用しましょう。
もちろん、私は手袋派です! (篠原あかね)