宅配便大手のヤマトホールディングス(HD)は、大口の法人顧客との運賃値上げ交渉の結果、100社超との契約を終了する。
2017年度に取り扱う荷物量は、16年度より4100万個少ない18億2600万個になる見通し。ヤマトの広報担当者が、2017年11月1日のJ-CASTニュースの取材に明かした。
宅配便の単価は590円に上がる見込み
ヤマトは、ネット通販の拡大で取り扱う荷物量が急増。それにより、宅配ドライバーの負担が増え、違法な長時間労働が常態化したことで2017年に入り、残業代の未払い分を一斉に支給した。
その一方で、同社は荷物量を削減するため、2017年9月末までの目標として法人顧客約1100社との値上げ交渉を進め、約9割の企業と交渉を終えた。約半数の企業が値上げを受け入れた一方、契約更改で契約終了となる企業も100社を超えた。
ヤマトは4月、2017年度に取り扱う荷物量を16年度の18億6700万個から17億8500万個に減らす目標を掲げたが、値上げを受け入れる法人が多かったため、2017年4~6月決算の発表会見で18億3100万個に引き上げた。
ただ、値上げ交渉で契約終了となる企業も出るため、荷物量はさらに500万個減り、最終的に18億2600万個になるとみている。
10月1日には、個人を対象とする基本運賃を平均15%値上げしており、宅配便の単価は法人分と合わせ、2016年度より31円高い590円に上がる見込みだ。
ヤマトが10月31日に発表した17年9月中間決算では、最終損益が120億円の赤字(前年同期は115億円の黒字)で、営業損益も128億円の赤字(同209億円の黒字)だった。
通期の営業損益は、値上げの効果が10月以降に表れるとして、250億円(同28.3%減)の黒字となる見込みで据え置いた。