政府が旗振る「働き方改革」。「ノー残業デー」や「22時の自動消灯」などに積極的に取り組んでいる企業が増えるなか、1日の平均労働時間が「8.9時間」だったことが、インターネットリサーチの「マクロミル」の調査(2017年9月13~14日実施)でわかった。
電通やNHKをはじめ、企業の長時間労働、勢い過労死が社会問題化するなか、残業時間は1日1時間ほどだった......
残業時間、1時間未満の人63%
マクロミルが、東京都23区内にフルタイムで勤務している正社員で、勤続年数2年以上かつ自身の労働時間を把握している男女1000人を対象に、「1日の総労働時間(過去3か月平均)」を聞いたところ、24%の人が「8時間未満」と答え、ほぼ残業がないことがわかった。
「8時間以上~9時間未満」が39%で、ほぼ残業がない人と合わせて、残業時間が1時間未満の人は63%を占めた。「9時間以上~10時間未満」が21%、「10時間以上~11時間未満」9.4%、「11時間以上~12時間未満」5.3%、「12時間以上」の1.3%と続いた。
労働時間を平均すると8.9時間だった。
こうした労働状況に対する満足度を聞くと、「とても満足している」という人は10.7%、「やや満足」は31.5%となり、半数近い42.2%が「満足」しているようだ。
「どちらともいえない」は32.1%。「やや不満」は17.2%、「とても不満」は8.5%で、「不満」を抱えている人は26%だった。
半数近い人が、現在の働き方に満足しているためか、「労働時間を増やしたいか・減らしたいか」という質問には、「今のままでよい」が48.6%、「減らしたい」は43.4%だった。「増やしたい」という人も8%いた。
一方、企業に労働時間を軽減するための取り組みを聞いてみると、「ノー残業デーの導入」がトップで37.2%。「残業時間の上限設定」は29.2%で、具体的な実施率は66.4%にのぼった。
このほか、「残業の事前申請」24.8%や、「チャイムの導入」は14.3%だった。政府の肝煎りで今年2月から実施されている「プレミアムフライデーの実施」も10%あった。
「リモートワークの導入」は9.6%、「人事評価と残業時間の連動」が7.7%。「終業時間の自動消灯」の6.6%、「会社独自の生産性をあげるための施策」0.8%、「その他」1.6%と続いた。
ただ、「労働時間軽減のための取り組みはない」という企業も34.2%あった。
都会ほどホワイト......
こうした結果に、人々はどう思っているのかとツイッターの反応をみると、
「都会ほどホワイトだというデータが出ています」
「拘束時間は長そうですがね。不満が少ないのは良くも悪くも『慣れ』だと思います」
「残業1時間未満が64%って、ちょっと驚き。もっと少ないと思ったわ」
「私の今月の目標は、残業10時間以下(今月はまだ5時間くらいしか残業してない)。給料はとても安いがそれでも残業するくらいなら帰りたい」
「これって人によると? 業種によるの? 1日に2~3時間はふつうに残業するけど......」
「あれ? 自分、昨日の『残業時間』が8.5時間だったけど?」
「ほんとこの仕事朝から晩まで、定時には終わらない、サービス残業、ハイレベルが求められる、家に帰ってもやらないといけない仕事がある。それで15万だからな!! 10年働いてもそんなもんなんだよ地方は!!」
といった声が寄せられる。
長時間残業に苦しむ人もまた、少なくないようだ。(KM)