Uberがもたらした格差 「トゥクトゥク」ドライバー残酷物語(森山たつを)

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   カンボジアに来た人がみな文句を言うのが、その公共交通機関の貧弱さでした。

   電車はなく、バスの路線も頻度も異常に少なく使いモノにならない。タクシーは走っていない。仕方がないので、バイクの後ろに荷台をくっつけた「トゥクトゥク」か、2人乗りのバイクタクシーを使うしかありませんでした。

  • カンボジアの街を行く「トゥクトゥク」Uberの登場で失業するドライバーも……
    カンボジアの街を行く「トゥクトゥク」Uberの登場で失業するドライバーも……
  • カンボジアの街を行く「トゥクトゥク」Uberの登場で失業するドライバーも……

カンボジアでは、まず「右行け」「左行け」「まっすぐ」の単語を覚える

   この「トゥクトゥク」がなかなか厄介で、「言葉が通じない」「地図が読めない」「値段が意外と高い」の3拍子。英語があまり通じないため、カンボジア在住者が真っ先に覚えるのが、「右行け」「左行け」「まっすぐ」の3つの単語。目的地を言っても平気で明後日の方向に行くのはまだしも、カンボジア人が詳細な行き方を話しても余裕で間違えるので、根本的な理解度に難があると思われます。

   なかでも、一番厄介なのが、地図が読めないこと。多くのカンボジア人は、ドライバーであっても、地図の読み方を習っていません。そのため、地図を見せても住所を伝えても、さっぱりなので、最終的にスマートフォンでGoogle Mapを見ながら、右行け、左行けと指示することになるわけです。

   こんなレベルなのに、値段はそれなりに高く、初乗り料金がその辺のカンボジア料理屋の1食分くらいになります。しかも、悪質なヤツはぼったくり価格を提示したうえで、払わないとキレますから、もう最悪です。

   しかし、2017年夏、この状況が一変しました!

   Uberをはじめとする「配車アプリ」の登場です。アプリを立ち上げ、地図上で現在の場所と行き先を指定するだけで、数分後にタクシーが迎えに来てくれます。

    あとは、何も指示しなくても、勝手に地図を見て、目的地まで連れて行ってくれます。料金は距離と時間で勝手に算出され、クレジットカードから引き落とし。何も指示しなくていい。何も交渉しなくていい。そして、値段はトゥクトゥクと変わらないか安いくらい。 移動のストレスが100分の1くらいに減りました。

   実際にどのように使うかは、こちらの「カンボジアでのUberの使い方」をどうぞ。

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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