プロ厳選の「よく出る英単語」だけを集中して覚える
そこで、「作戦変更」です。
単語帳をつくることをキッパリとやめて、市販のTOEIC単語本に集中することにしました。この連載でたびたびご紹介していますが、「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ 」(TEX加藤著、朝日新聞出版発行)に掲載されている単語を覚えることだけに限定したのです。
知らない単語があっても単語帳に書き出しません。一冊の本を何度も繰り返しながら覚える方法に切り替えましたが、これが予想以上に効果がアップしたのです。
それもそのはず。プロが選んだ「厳選単語」に絞りこんで覚えるほうが、自分が知らない単語をかたっぱしから覚えようとするよりも、効率がよいのは当たり前なのです。受験勉強のノリを忘れられずに、「単語帳」にこだわっていた自分を深く反省しました。
単語帳づくりの呪縛から解放されたとたん、学習効率がグンと跳ね上がりました。
学生時代には気がつかなかったのですが、シチュエーションや目的によって使われる英単語は意外と限られています。ビジネス会話で使われる単語、ニュースでよく目にする単語、海外旅行で使う単語で、よく使われる「レギュラー組」は固定しています。
しかも、どの単語がよく使われるかは、その道のプロが莫大なエネルギーを費やして分析してくれています。そう考えると、英単語に関してはプロの「目利き」にお任せするのがもっとも効率的ではないでしょうか?
知らない単語をすべて覚える必要はない、プロが厳選した「よく出る単語」だけを集中して覚えよう、と割り切ることが大切です。
単語帳をつくるのは、時間がたっぷりある学生さんにおゆずりして、われらサラリーマンは効率重視といきましょう。
今週のニュースな英語
~ 選挙で悲喜こもごも「勝ち馬に乗る」は、英語で何て言う? ~
大型台風が上陸するなか、第48回衆議院議員総選挙が行われました。野党第一党だった民進党が分裂し、「希望の党」や「立憲民主党」といった新党が話題になりました。
話題の中心はめまぐるしく変わり、なかでも「小池旋風」の失速ぶりが明暗を分けたと報じられています。
時流に乗って当選した人、涙をのんだ人、まさに悲喜こもごもといったところでしょう。
英語で「時流に乗る」は、「jump on the bandwagon」です。
「勝ち馬にのる」「便乗する」とも訳されます。
「bandwagon」は、文字どおり「band」(音楽バンド)が乗った「wagon」(大型自動車)で、サーカスやパレードの先頭にいる楽隊車のこと。誰もが乗りたがる楽隊車に「jump on」(飛び乗る)ので、「流行や人気に乗る」といった意味で幅広く使われます。
なんとなく、ウキウキと楽しい気分になる言い回しです。こういった表現に出会うと、「英語っておもしろいな」と、つい思ってしまいます。