2018年春卒業予定の大学生・大学院生が就職活動にかかった費用は、平均14万3943円で前年調査から5180円増えた。2017年10月24日に就職情報大手のディスコが発表した「2018年卒の就職活動調査」で明らかになった。
最も増加額が大きいのは交通費で、前年調査から3343円アップの平均6万6170円になった。
内定率、過去最高の92.7%
人手不足が深刻化するなか、企業の採用意欲は高まっている。発表されたディスコの調査結果によると、17年10月1日時点の内定率は92.7%で、現行の調査を開始した05年以降、10月の内定率としては過去最高となった。前回(9月)調査から1.3ポイントの上昇。前年同月と比べて1.5ポイント上昇した。
内定を持つ学生の割合は男子学生よりも女子学生のほうが高く、文系では男子が91.2%、女子は94.3%。理系は男子が91.1%、女子が95.7%だった。
また、内定を持つ学生のうち、94.1%が就職先を決めて就活を終えている。一方で、内定を得ながら就活を続けている学生も3.7%いる。
そうした中で、就活にかかる費用が上昇している。平均14万3943円で、前年調査から5180円増えた。なかでも、最も増加額が大きいのは交通費で、3343円アップ。備品代(カバンやパソコン、手帳など)の2491円増(1万1830円)、有料講座の受講料が850円増(6370円)と続いた。半面、リクルートスーツ代(シャツ、靴を含む)は584円減って3万8548円に、宿泊費は215円減の8765円、資料代は623円減の8060円となった。
地域別でみると、総額が最も高いのは「九州・沖縄」の21万8348円。最も低いのは「関東」で11万8891円だった。
ディスコは、「このことからも、交通費の負担が大きいことがわかります」と指摘。その一方で、Uターンを希望する学生は16.3%で、前年(16年)調査の17.0%から微減。「やはり、首都圏での就職を希望する学生が多いことがわかります」と話す。
調査は、ディスコが運営する就職情報サイト「キャリタス就活2018 学生モニター」に登録する学生を対象に、10月2~10日にインターネットで実施。1225人から回答を得た。