もしかして、夢見てます? 中途半端じゃ務まらないフリーのお仕事(江上剛)

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フリーランスの道は壮絶

   あるフリーランスのライターが、私に嘆いたことがあります。

「今は、プロのライターが書かなくても、素人の専門家が無料でいっぱい原稿を書いてくれる。それが原因でプロのライターの原稿料が上がらない」

   これが本当かどうかは知りませんが、紙媒体の世界とネットではまったく違うことは確かのようです。

   そして紙媒体はフリーランスのライターを育てる余裕がかつてはあったと思いますが、ネットの世界は、そうした育てるという概念はないようにも見えます。

   いずれにしてもフリーランスのライターが非常に厳しいという現実があります。これはこの先も変わらないでしょう。

   フリーランスと言えば聞こえがいいですが、失業者と同義だと思っていれば、あなたの選択がリスクが大きいと分かるのではないでしょうか。

   そしてまず第一に、あなたが何を書きたいかということでしょうね。専門分野はあるのですか?エッセイを書いてもだれも読んでくれませんよ。それは編集者であるあなたが一番ご存知でしょう。

   どうしてフリーランスのライターになりたいのか。よく自分自身を見つめてください。

   私の知人で大手テレビ会社を辞めてフリーランスのライターになったのがいます。

   彼は年収2000万円以上の立場を捨て、どうしても書きたいものがあるからとフリーランスになりました。でも、今はまったくの無収入です。彼の選択が失敗か、否かは、まだ将来を見ないと分かりません。しかし、それほど壮絶なものだということを少し理解してください。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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