その30 路上の「喫煙所」「こんなものいらない!?」(岩城元)

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煙をシャットアウトして!

   僕は大学生の時から、ほぼ40年間もたばこを吸ってきた。今はやめているが、喫煙者に対してそれなりの理解はあるつもりだ。喫煙者と非喫煙者が「共存」できればいいし、喫煙所があちこちに設けられるようになったのも、いいことである。でも、覆いも何もない喫煙所のそばを通って受動喫煙をしたくはない。

   その点、東京・池袋の駅近くにあるいくつかの喫煙所には、いずれも高さ2~3メートルの壁のような覆いがついている。ただし、天井はないし、出入り口には戸がない。おかげで、たばこの煙が道路にどんどん流れてくる。

   これでは数寄屋橋の喫煙所とたいして変わりがないが、池袋では割合に広い道路の脇に喫煙所が設けられているので、少し遠回りして歩けば、たばこの煙を避けることもできる。

   ところが、東京・渋谷のスクランブル交差点脇の喫煙所は、道路自体が広くないところに設けられている。おかげで、内部は狭く、そのせいか喫煙所の外で吸っている連中が目立つ。池袋と同じく壁状の覆いはあるが、天井はないし、出入り口に戸もない。受動喫煙を避けてそばを通ることは難しい。

   「喫煙所」と称するからには、煙ができるだけ外部に漏れないようにすることが第一ではないか。百貨店などの室内の喫煙所はおおむねそのようになっているが、路上の喫煙所はまだまだである。副流煙や呼出煙を、無神経に撒き散らしているようでは、喫煙者と非喫煙者の共存は望めないだろう。(岩城元)

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岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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