「言い回し」の工夫で人は動く 「期待以上」を引き出す一言(高城幸司)

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「意欲的に仕事をしてもらえる」伝え方

   そこで使いたいのが、「あなただからお願いしたい」「あなたにお願いしたい」という気持ちを伝えること。でも、それもほどほどの責任感を与えるくらいのレベルに抑えておきたいものです。

   相手としては「手弁当」で動くわけだから、たとえ「あなただからお願いしたい」と頼られても、それほど大きな期待を寄せられたり責任を負わされたりすると、尻込みするでしょう。相手にとって過度な負担にならないような「言い回し」を使うことも大切です。

「○○さんの意見をいただくだけで、仕上がりがぜんぜん違うと思うんですよね」

   この程度であれば、相手は負担を感じないはず。しかし、次の言い回しはどうでしょう。

「○○さんの意見は、ウチの業績を左右するほど重要なんですよ」

   相手の力が是非とも必要だという誠意を示したかったのでしょうが、実際にここまで言われてしまうと重すぎませんか。相手の意欲を引き出すのはいいのですが、あくまでも頼んだ人に責任が及ばない範囲にとどめるべき。かといって、誰にでもできるような内容だと意欲的にはなれません。

   そこまでだったら手伝える、自分の力が生かせそうだ、しかも面白そう。つまり、このレベルであれば、意欲的にやってもらえると思える程度の責任と、仕事の範囲にとどめるべきなのです。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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