東日本大震災の被災企業、売り上げ「回復」は45% 建設、運輸業がけん引

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   2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災した東北4県(青森、岩手、宮城、福島)の企業のうち、売り上げが震災前の水準以上まで回復した企業が全体の45%だったことが、東北経済産業局の調査でわかった。2017年10月12日に発表した。

   売り上げが震災前より「増加」したと答えた企業は30.8%。同じ水準(「変化なし」)だった企業は14.2%だった。県別にみると、青森県の企業は63.1%まで回復しているが、岩手県は43.9%、宮城県が44.9%、福島県は44.6%と、なお半数に届いていない。

  • 東日本大震災から7年半が過ぎたが……(写真は、日本三景の宮城県・松島)
    東日本大震災から7年半が過ぎたが……(写真は、日本三景の宮城県・松島)
  • 東日本大震災から7年半が過ぎたが……(写真は、日本三景の宮城県・松島)

水産・食品加工業の回復に遅れ

   業種別にみると、震災前の水準以上に回復していると回答した企業の割合が最も高かったのは、建設業で75.3%。次いで運送業の56.8%だった。その一方で、最も低いのは水産・食品加工業で29.3%。売り上げが震災前の5割に満たない企業が31.8%にのぼった。

   次いで、卸小売・サービス業の33.5%、旅館・ホテル業の35.1%となっており、業種により明暗が分かれた。

   売り上げが回復した要因については、26.0%が「復興特需、その他要因による新規顧客の確保」と答えた。建設業や旅館・ホテルなどの業種が復興特需の「恩恵」を受けており、水産・食品加工業は「新商品・新サービス開発等」が31.9%と、最も高い割合を示した。東北経済産業局は「水産・食品加工業の販路拡大に向けた積極的な取り組みがうかがえる」としている。

   一方、現在の売り上げが震災直前の水準まで回復していない企業のうち、その要因(全業種)を聞いたところ、「既存顧客の喪失」が最多の36.0%。次いで「従業員の不足」が13.6%、「風評被害」が12.5%となった。販路の喪失や人手不足などが、事業回復の足を引っ張っている。

   調査は2017年6月、被災した東北4県のグループ補助金の交付先9315者を対象に実施。5912者から回答を得た。

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