2017年度上半期(4~9月期)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が前年同期と比べて0.09%(4件)増の4220件で、上半期としてはリーマン・ショックが起きた2008年度以来、9年ぶりに前年同期を上回った。東京商工リサーチが10月10日に発表した。
負債総額は約3.2倍(1兆4549億円増)の2兆1173億円で、2年ぶりに前年同期を上回った。上半期としては2010年(2兆7673億円)以来の2兆円超え。ただ、製造業で戦後最大の倒産となったタカタの負債総額(1兆5024億円)が全体の約7割を占めた。
飲食業や情報通信業の倒産目立つ
東京商工リサーチによると、上場企業の倒産は、自動車部品製造のタカタと郷鉄工所の2件で発生。前年同期はゼロだった。
資本金1億円以上の倒産件数、また負債総額10億円以上の大型倒産が上半期では9年ぶりに増加。その一方で、従業員数が5人未満の零細企業の倒産が全体の73.9%を占め、上半期では過去20年間で最高となった。原因別では「販売不振」が8年ぶりに増えた。
いわゆる「人手不足」倒産は142件が発生。このうち「求人難」型が16件(前年同期7件)と倍増した。
産業別にみると、飲食業などを含む「サービス業他」が前年同期比10.1%増の1225件で、2年連続で前年同期を上回った。酒場・ビヤホールや広告業、持ち帰り飲食サービスなどで増加が目立った。
ソフトウェア業を中心とした情報通信業も、前年同期比10.7%増の175件で、上半期としては09年度以来8年ぶりに増加に転じた。
これに対して、建設業は795件(前年同期比1.3%減)、製造業は541件(7.3%減)、卸売業が623件(4.8%減)、小売業547件(6.0%減)、不動産業は137件(2.1%減)と、減少傾向が続いている。
地域別では、関東が前年同期比3.1%増の1669件、近畿が7.6%増の1124件と、いずれも8年ぶりに増加に転じた。東京と大阪の2大都市圏で増加が目立った。