その29 分かりにくい「電車の種別」 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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きちんと順序立てれば、分かりやすい

   冒頭に書いた東武東上線で以前、通勤急行が走っていたことがあった。僕がまだ現役の勤め人だったころだ。出勤時は気がせいているから、早く池袋に着いてくれる電車なのかと思ったら、停車駅が多くて逆に時間がかかった。なんでわざわざ通勤急行なんて名付けたのか、とがっかりさせられた。

   「区間急行」「区間準急」というのもよくあるが、これらも意味がはっきりしない。ある区間は急行、あるいは準急だが、他の区間は各駅に停車する普通列車になるという意味だろうか。

   かつて「裸の大将」と呼ばれ、人々に愛された山下清(1922~71年)という画家がいた。彼は生前、「兵隊の位で言うと......」が口癖で、ものごとを大将、中将といった兵隊の位で評価していた。

   電車の種別もこれを見習ってはどうだろうか。たとえば、早い順に大将、中将、少将、大佐...... 中尉、少尉と名付けていく。きわめて分かりやすくて、快速と急行とではどちらが早いのか、なぞと悩まなくてもいい。

   ――と言うのは冗談なのだが、電車の種別はもっと乗客に分かりやすいようにしてほしいのである。(岩城元)

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岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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