「小泉政権」から学ぶこと
郵政民営化という小泉氏を象徴する旗印。これは橋本行革の延長線の中で、具体的な改革を進め、行政のムダを省き、民間活力の向上を実現する政策として国民の期待を集め、政府が一体何を目指し、何をしてくれるのかをわかりやすく提示したということだったのです。
これを企業経営に置き換えるなら、「ビジョンの提示」に他なりません。ビジョンの有無、それがイメージ先行で盛り上がったブームをブームで終わらせるか否かの大きなポイントを握っていたと思うのです。
小泉内閣の跡を継いだ、第一次安倍内閣、福田内閣、麻生内閣。そのいずれもが短命に終わった理由もまたビジョンの欠如に他ならなかったと思います。さらに言うなら、その後、具体的ビジョンを掲げて自民党から政権を奪取した民主党政権は、掲げたビジョンの実現がまったくできない失望感から自滅するという末路を辿っています。
明確なビジョンを持ち、その実現に向け着実に引っ張っていくリーダーシップこそが、国だけでなくあらゆる組織の円滑な運営においては、最も重要なことでもあるのです。