衆議院の解散総選挙に向けて小池都知事が立ち上げた「希望の党」が話題になっています。古くは新自由クラブ、日本新党、維新の党...... 我が国でこれまでも新党ブームというのは一定間隔で起きてきましたが、今回の希望の党もまた何やらちょっとしたブームになりそうな、そんな様相を呈しています。
とはいえ、これまでの新党ブームがどれもあくまでブームで終わってしまっているのは、ちょっと気になるところ。さらに申し上げれば、ブームの終焉とともに急激に勢力を弱めた、先人たちの諌めが活かされないのはなぜなのか。それなりに学ぶべきことは多いはずであると思うにつけ、実に不思議に思うところであります。
新党ブームには、必ず強いリーダーがいた
これまでの新党ブームには、必ず強いリーダーシップを持ったリーダーがいたという共通点があります。新自由クラブにおける河野洋平氏、日本新党における細川護煕氏、維新の党における橋下徹氏。彼らはその改革者的なキャラクターを新党のイメージに付加し、それを求心力に変えることで新党ブームを巻き起こしてきたのです。
しかし、時間の経過とともにブームは沈静化に向かえば、新党は形を変えざるを得ない状況に至るか、あるいは空中分解するか。長く続いた試しはほとんどない、と言っていいでしょう。
ブームがブームで終わってしまう背景には、何が足りないのでしょう。
新党ではありませんが、同じ政治の世界で強いリーダーシップを持ち、ある種のブーム的な人気で低成長期になりながら、高支持率を維持し長期政権を実現した小泉純一郎元首相。「自民党をぶっ壊す」という首相就任時に、小泉氏が打ち出したキャッチフレーズにより、ある意味で新党立ち上げにも相通じるイメージ先行のブーム盛り上がりが感じられました。
小泉政権は長期にわたって高支持率を維持します。その裏にはイメージだけで終わらない大きなポイントがあったように思えます。
それは、具体性のある政策の存在でした。