厚生労働省は、が生涯でパチンコや競馬などのギャンブル依存症が疑われる状態になったことがある人は、成人(20~74歳)の約320万人(国勢調査データから推計)、3.6%に当たるとする2017年度の調査結果を、9月29日に発表した。
なかでも、最近1年間にギャンブル依存症が疑われる状態だった人は0.8%で、16年度の調査と比べて0.2ポイント増加。推計で約70万人に当たる。
日本はパチンコ店などが身近にある
厚労省による調査は、2013年度(ギャンブル依存症の疑いがある割合は4.8%)と16年度(同2.7%)に実施。2017年度の調査は、全国300地点の住民基本台帳から無作為に対象者を抽出。16年度調査の4.5倍となる1万人に対象を広げて実施。4685人から有効回答を得た。
その結果、過去にギャンブル依存症となった疑いがある人は158人(3.6%)。男女別でみると、男性は6.7%、女性は0.6%だった。最もお金を使ったのはパチンコ・パチスロが最多で、123人(2.9%)。過去1年以内にギャンブルに使った平均額は、月額約5万8000円だった。
調査方法などが異なる海外と単純比較はできないが、ギャンブル依存症が疑われる人の割合を諸外国と比べると、オランダが1.9%(2006年)やフランスが1.2%(11年)、スイスが1.1%(08年)よりも、日本のほうは高かった。最近1年では、米国が1.9%で日本(0.8%)より高かった。研究班は、日本はパチンコ店などが身近にあり、利用しやすいことが影響しているとみている。