厚生労働省が2017年9月29日に発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比横ばいの1.52倍だった。企業の求人は0.5%増加したが、求職者も0.5%増えた。
企業は人材確保のため正社員の採用に注力。正社員の有効求人倍率は1.01倍で求人が求職を上回ったが、前月比では横ばいだった。
完全失業率3%割れ、働く意思のある人は完全雇用の状態に
有効求人倍率は、全国のハローワークで仕事を探す人1人あたりに何件の求人があるかを示す。
厚労省によると、雇用の先行指標とされる新規求人倍率(季節調整値)は、2.21倍と前月比0.06ポイント低下。業種別にみると、教育・学習支援業や運輸業・郵便業などで伸びが目立った。
一方、総務省が同日発表した8月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は2.8%で、前月と比べて横ばいだった。完全失業者数は189万人。このうち、定年退職や、勤務先や事業の都合による離職は8万人減少した。「自発的な離職(自己都合)」は4万人減だった。就業者数は6573万人。雇用者数は5840万人だった。
完全失業率の3%割れは、働く意思のある人なら誰でも働ける、完全雇用の状態にあるとされる。