日本取引所グループ(JPX)の清田瞭(あきら)最高経営責任者(CEO)は、経営再建中の東芝が2018年3月末で債務超過を解消できなければ、「2期連続の債務超過は上場規程に抵触し、自動的に上場廃止になる」と2017年9月27日の定例記者会見で述べた。
JPX傘下の日本取引所自主規制法人が進めている、東芝の株式の上場を維持するかどうかの審査には、「できるだけ早く結論を出したい」と、個人的見解を述べた。
「1日でも遅れれば上場廃止」
JPXの清田CEOは「1日でも遅れれば上場廃止となる。救済措置を考えることはない」と述べ、東芝が2期連続の債務超過となった場合に厳格に対処する考えを示したという。9月28日のJ-CASTニュースの取材に、JPXの広報担当者が明かした。
東芝は米原発事業の巨額損失で2017年3月期に債務超過となった。2期連続の債務超過を回避するため、2018年3月末までに半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を売却する狙いだが、東芝と提携する米ウエスタン・デジタル(WD)が、これに強く反発している。5月、国際仲裁裁判所へ売却の差し止めを申し立てていた。
最終決定には1、2年かかるとみられ、東芝が売却完了を目指す2018年3月末に間に合わない。WDは2017年9月26日、国際仲裁裁判所へ売却手続きの一時停止を申し立てる方針を発表している。
「東芝メモリ」の売却先は9月20日、米投資ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に決定している。