第2次安倍内閣が発足した2012年12月に始まった景気の回復基調について、茂木敏充経済再生相は「景気回復の長さは58か月(4年10か月)となり、戦後2位の『いざなぎ景気』を超える景気回復の長さとなった可能性が高い」と述べた。政府は2017年9月25日、9月の月例経済報告を発表。その後の記者会見で発言した。
「いざなぎ景気」は1965年11月から1970年7月までの57か月間続いた好景気。内閣府は17年6月、「アベノミクス景気」が4月に「バブル景気」(1986年12月~91年2月)の51か月を抜いて、戦後3番目の長さになったとの認識を示していた。
「実感できない」が圧倒的
景気回復が「いざなぎ景気」を抜いて戦後2番目の長さになったことに、ツイッターやインターネットの掲示板などには、
「いざなぎ景気超えというが、景気回復の実感はまったくないんだよなぁ...」
「いったいどこの異世界の話ですか」
「有効求人倍率はバブル超え水準とかいうけど、1人あたり賃金の伸びは低くなっている」
「やったー!いざなぎ景気超えたよ!! あべちゃんありがとー!!! でも全然給料上がらないし税金で苦しくなるばかりだよ!!!」
「政治家は経済成長率の維持年数がいざなぎ景気を越えたとか言ってるけど、世帯収入が変わってないんじゃ物価や金利が変わった現代では景気がいいとは決して言えないよね」
と、「実感できない」という声が圧倒的だ。
政府は9月の月例経済報告で、国内景気は「緩やかな回復基調が続いている」との判断を、4か月連続で据え置いた。
個人消費は「緩やかに持ち直している」に、また設備投資も「持ち直している」に据え置いた。物価についても判断を維持。企業物価は「上昇テンポが鈍化している」、消費者物価は「横ばい」としている。
「先行き」については、雇用や所得環境の改善が続くなか、政策効果もあって緩やかに回復していくことが期待されるとしている。