米玩具大手のトイザラスが経営破たんした。
ただ、日本にあるトイザらスの店舗は破産手続きの対象外で、日本トイザらス広報部はJ‐CASTニュースの2017年9月19日の取材に、「現時点では日本法人に影響はない」とコメントしている。
日本トイザらスは破たん手続きの対象外
米トイザラスは、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条を米破産裁判所に申請したと、2017年9月18日(現地時間)に発表した。同社は、アマゾン・ドット・コムなどインターネット通販の台頭の影響で、業績不振に陥っていた。
負債総額は約50億ドル(約5600億円)にのぼるが、米国とカナダ以外の店舗については破産手続きの対象外になっている、と伝えられている。
一方、日本トイザらスは、2010年に米トイザラスに完全子会社化されたが、17年4月には米トイザラスと小売事業を運営する、香港のファン・リテイリングの合弁事業である「トイザラス・アジア・リミテッド」のグループメンバーとなっている。そのため、米トイザラス破たんに巻き込まれず、生き残ったようだ。
米トイザラスの経営破たんに、インターネットの掲示板などでは、
「時代の流れだな」
「店で買うほうが思い出になるけどな」
などの声があがる一方で、
「デカいだけでたいして安くないしなくなってもいいや」
「トイザラスは正直微妙だったよ」
といった声もあがっている。
とはいえ、気になるのは日本トイザらスの今後だ。周知のとおり、日本でもおもちゃ市場は少子化の影響が懸念される。大丈夫なのだろうか――。
国内玩具は8000億円市場
国内の玩具(おもちゃ)市場はここ数年、好調に推移している。日本玩具協会のまとめによると、2016年度の国内玩具市場の規模(希望小売価格ベース)は、前年度と比べて0.3%増の8031億円だった。2017年5月30日の発表。
調査は2001年からで、同年に8413億円と過去最高を記録。その後、8000億円を下回り低迷したが、2014年度(8087億円)に10年ぶりに8000億円台に乗ると、以降3年連続で8000億円を突破している。
2016年に好調だった商品をみると、任天堂キャラクターやディズニーシリーズなどのぬいぐるみが前年度と比べて15.9%増、「リカちゃん」と「メルちゃん」やままごと遊びなどの女児玩具が6.8 %増、「デュエル・マスターズTCG」と「遊戯王OCG」などのトレーディングカードゲームが8.8%増、ゲームが5.5%増だった。「ベイブレードバースト」や「仮面ライダーエグゼイド」の変身ベルトが人気を集めた男児キャラクターも2.2%増えた。
2017年度の国内玩具市場も、「ゴールデンウィーク商戦でも前年を超える売り上げを確保しており、今後のクリスマス商戦も盛り上がりを期待しています」としている。
2017年9月21日には、国内最大のゲーム見本市「東京ゲームショウ 2017」が千葉市の幕張メッセで開幕(一般公開は23~24日)。今回の出展は609社・団体で、5年前に比べて3倍に増えた。このうち海外勢が317社・団体と過半数を占める。出展されるゲームやグッズなどは1300点超にのぼり、この中から大ヒット商品が生まれるかもしれない。
ただ、ある大手おもちゃメーカーは、「もともと人気キャラクターで売り上げが左右される面が否めないので、年によって売り上げには濃淡があります。小売店側も米国と同様に厳しい状況が続いています。やはり、少子化の影響は効いていますよ。ネットでは新商品でも、飽きたらすぐに転売する人が少なからずいるので、販売価格も値崩れを起こしやすくなっています」と指摘する。
消費者の「買い方」にも、変化がないとはいえないようだ。