「女性活躍推進について、よい方向に変化したと感じるか」との質問に、管理職や係長などの役職にいる女性の53.5%が「変化なし」と回答した。約半数の女性が、女性活躍の推進を実感していないことが、日本経営協会の「第2回 女性管理職意識調査」(2017年)で明らかになった。
調査は個人調査と組織調査に分けて実施。個人調査では管理職、係長などの役職に就いている女性が対象。組織調査は性別にかかわらず、企業の人事担当者が主に対象となっている。
「企業が思うほど個人は実感していない」
組織調査では、「女性活躍推進」に取り組んでいる企業や団体のうち、約7割が「進んだ」「多少進んだ」と回答した。
企業が「女性活躍推進」に期待することは、女性社員のモチベーションや自律性の向上や多様性の創出や風通しがよくなるといった組織風土の改善がある。
しかし、個人調査では「女性活躍はよい方向へと変化した」と感じている女性は3人に1人にとどまっている。53.5%が「変化なし」と回答。組織と個人とで、女性活躍推進の「実感」に対する認識の差が大きいことが浮き彫りとなった。
日本経営協会は、2017年9月13日のJ‐CASTニュースの取材に、「企業が評価しているほど、女性一人ひとりは女性活躍推進を感じていない」と話した。
ここ数年で女性の社会進出は進み、女性管理職も増加傾向にある。企業への調査では、女性の管理職への登用について、3社中2社が増やす意向があると回答。一方、個人では前回調査(2014年)と比べて、社内における昇進や転職を希望する人が増えており、女性活躍推進や働き方改革などが影響しているとみられる。
なお、調査は個人調査と組織調査を、それぞれ6月初旬から中旬にかけてWEB調査で実施した。有効回答数は各400件だった。8月30日の発表。