2015年度の国民医療費は、前年度比3.8%増の42兆3644億円だった。厚生労働省が2017年9月13日に発表した。9年連続の増加で、過去最高を更新した。
人口1人あたりの国民医療費は、33万3300円。国民医療費の国内総生産(GDP)に対する割合は前年度と比べて0.08ポイント増の7.96%。また、国民所得に対する割合は0.12ポイント増えて10.91%だった。
患者の高齢化も影響
国民医療費の内訳をみると、最も大きかったのが医療保険等給付分で、前年度比3.7%増の19兆8284億円。次いで、医療保険で3.8%増の19兆5244億円。この2つで全体の9割を占めている。後期高齢者医療給付分は4.7%増の14兆255億円だった。
医療費が上昇した理由について、厚生労働省はJ‐CASTニュースの9月14日の取材に、「C型肝炎の治療薬が高額薬剤となっており、薬価調剤医療費が上がったことが全体に響いた」と説明した。
薬価医療費にあたる、「薬局調剤医療費」は9.6%増の7兆9831億円だった。
また、医療費を使う割合を年齢構成別にみると、65歳以上が59.3%。75歳以上は35.8%だった。医療費の増加は、患者が高齢になっている影響も少なくない。