個人事業主と法人の違い「会社ならば、損失が繰り越せる」
カス丸くんは現在の会社を辞めて、独立を考えているということですね。
まず、会社を独立するためには、さまざまなことを決めていかなければいけません。カス丸くんのように、起業するなら個人と法人どちらがよいのか、と悩む人は多いです。
それでは、個人事業主と法人の違いを簡単にご説明しましょう。
まず、法人のほうが個人事業主よりも社会的信用が高く、企業との取引や金融機関などからの融資も受けやすいと言えます。また、利益が一定以上になると予想される場合には、法人の方が税務上のメリットを受けやすく有利です。
さらに、損失が生じた場合に、その損失額を繰り越して課税所得と相殺できる期間は翌年以降3年間に限られていますが、法人、たとえば株式会社では9年間(2018年4月1日以降は10年間に延長)繰り越せます。また、税率についても、個人事業主は所得が増えるに従って税率が高くなる「累進税率」であるのに対し、法人は「比例税率」が用いられているため税率は原則として一定です。
また、債務の弁済ができない場合、個人事業主は個人の財産を差し押さえられる可能性がありますが、法人の場合は出資額の範囲で責任を負う有限責任であるため、連帯保証契約を結んでいない限り、個人の財産が差し押さえられることはありません。
他にも、人材確保に有利といった観点や、所得と経営を分離できることから、本人が病気などで一時的に業務ができなくなってしまった場合であっても、ほかの人が代わって会社業務を行うことが可能などのメリットが法人にはあります。