「やり手上司」と「汗かく上司」 かつての部下に慕われるワケ?

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時代とともに変わる「仕事のやり方」

   では、「卒業後」の人望を決めるのは一体何なのか――。彼の話の続きに、思わず引き込まれます。

「その昔『善し』とされたリーダーシップは、少しばかり強引であっても、自分で物事決め部下に対して役割に見合った的確な指示を次々出して引っ張っていくようなスタイルでした。恐らく大関さんや私が銀行に入った頃が、その最後の時代であったのかもしれません。これはマーケティング用語に置き換えれば、プロダクトアウトと言えるやり方です。しかし、今は違います。マーケティングも人事管理も人という相手がいることには変わりなく、部下から見て『善し』とされるやり方もマーケットイン主流の時代に移行しているのです」

   プロダクトアウトとは、高度経済成長の時代などに代表されるマーケティング思考で、送り手側、つくり手側が自ら考えたよいものをつくれば、物はどんどん売れるという考え方で、日本でも高度成長期からその延長にあったバブル経済が崩壊するまでは主流を占めていました。

   一方のマーケットインは、自分がいいと思うものを次々つくって売るのではなく、市場が何を求めているかを調査し、それに基づいて提供する製品やサービスを決定するやり方です。まさしくマーケットにインする、自ら入り込むやり方なのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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