その26 電車内の通話禁止【こんなものいらない!?】

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日本人は「ちょい騒音」過敏症かもしれない

   いつだったか、僕はビアホールでひとりでジョッキを傾けていた。周りでは酔客が騒いでいる。やかましい。そこへ、携帯に電話が掛かってきたので、小声で話していた。しばらくすると、従業員が寄ってきて「携帯はご遠慮ください」と言う。

   えっ、僕はいったい誰に迷惑を掛けているの? 従業員は「あちらのお客様がそうおっしゃるので」と、少し離れた席にいる年配の男を指差した。このあと、ちょっともめたのだが、それは別として、人の集まる場所で携帯電話で話している者を見ると、反射的に文句をつける連中もいるようである。

   さらに言えば、私たちは「静か」であることに、少し固執し過ぎているのではないか。たとえば、幼稚園の子供たちの「ワイワイガヤガヤ」を「騒音」だと言って嫌がる。それが電車内の通話禁止につながっているようにも思う。もっと「ワイワイガヤガヤ」に慣れたほうが、人生は豊かになり、楽しくなると思うのだけど...... (岩城元)

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岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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