農林水産省は、輸入小麦の売り渡し価格を4月期と比べて、米国産やカナダ産など5銘柄の平均で3.6%引き上げ、1トンあたり5万2510円にする。
現行は、1トンあたり5万690円。輸入小麦の売り渡し価格は、4月と10月の年2回改定している。農水省が2017年9月6日に発表した売り渡し価格は、10月から6か月間適用される。
米国やカナダ、豪州で減収懸念
輸入小麦の売り渡し価格の算定は、直近6か月の小麦の国際相場や海上運賃、為替などの動向を踏まえ、算出している。
農水省によると、米国やカナダ、オーストラリアで生育期に降水量が少なく減収懸念から、4月期と比べて国際価格が0.3ドル上昇して平均4.4ドルになった。また、海運運賃は、輸送需要の増加による上昇で1トンあたり3ドル上昇の平均42ドルに、為替相場は円安で推移したことで1円上昇の112円となった。
穀物の国際価格や海上運賃、為替相場のいずれも影響したため、売り渡し価格を引き上げることにした。
小麦は現在、需要量の約9割を海外から輸入。国が製粉会社に売り渡している。小麦は、パンやパスタ・麺、お菓子の材料に使われるが、家計への影響は限定的としている。