現金こそ、究極の「モノ」である
「現金をプレゼントするなんて味気ないし、ロマンチックじゃないし」というご意見もあると思う。が、ちょっと考えてみてほしい。服やカバン、アクセサリーなどのモノと違って、現金はどんなモノとでも交換できる。この世の中で、もっとも多くのモノと交換できる無限の可能性を秘めた「モノ」が、現金なのである。
現金こそ、究極の「モノ」といえよう。屁理屈だろうか。
そうだ! かの有名な経済学者、マルクスも「貨幣の物神性」として語っていたではないか。ただの紙切れや銅の塊でしかない貨幣が、人間によって「すべてのモノと交換できる」とされたがゆえに、紙切れ自体の価値を超えて、全能の神のごとく崇拝されるのが資本主義社会だ。
そこで生きる我々ならば、愛する人に、最も「交換価値」の高い貨幣をプレゼントするのは別におかしいことではない。すべてのモノと交換可能という、無限の可能性を秘めたプレゼント。なんてロマンチックなんだろう。
というわけで今年も、ヒモさんの誕生日には現金をあげることにした。31歳、おめでとう、ヒモさん。(北条かや)