ビジネスは栄枯盛衰
この3つは、一人で起業する場合はもちろんのこと、二人以上で共同起業する場合にも同様にチェックをしなくていけません。
二人の場合で申し上げるなら、二人ともに「やりたい」気持ちが揃っているか。どちらか一人が気乗りしなかったり、どこかでつまらないものを感じたりしていないか、です。また、どちらかあるいは二人が役割を分担してでもいいので「やれる」ことであるのか。そして二人それぞれの立場で考えて、ニーズや社会的意義という観点から真に「やるべき」ことであると思えるのか否かを判断するのです。
じつはこの「起業のスリーポイント分析」は、亡き父から学んだものでした。父は私が物心つく前の高度成長初期の時代に会社勤務から独立して、個人事業主としてネクタイの企画、デザイン、委託生産、卸しをしていました。
私が中学生ぐらいまでは稼業は比較的順調でしたが、オイルショックによる急激な景気後退で状況は一変します。受注の激減、取引先の倒産などに見舞われ、商売替えを真剣に検討せざるを得ない状況に至ったのです。
「政府の省エネ推奨の一環で、ビジネスマンにネクタイをしないことを奨励するような世の中になって、自分の仕事は社会から求められていないものに変わってしまった、と悟った」と、後々回想していました。
先のスリーポイント分析で言えば、自らの仕事継続することに対する社会的意義、すなわち「やるべき」の欠如に直面させられたのです。