米韓軍事合同演習がはじまり、北朝鮮リスクが高まった1週間。為替相場も揺れた。北朝鮮がミサイルを発射した2017年8月29日朝。一般に、「有事のドル買い」といわれるように、ドルが買われる展開を予想していた投資家も少なくなかったのではないか。
ところが、買われたのは「円」。一時大きくドル安が進行した。この値動きに、動いた明治と慶応。取引を控えた早稲田。その差は......
米雇用統計気にしながら、200ドルの「買い」持ち(早稲田)
8月28日(月)
この日は、注目度の高い米国の経済指標の発表はなかった。1時間足のチャートでも大きな値動きはなく、レンジ相場が続いている。動きがなかったので取引は控えた。
8月29日(火)
早朝、北朝鮮がミサイルを発射。それを受けて円買いが進み、ドル円相場は一時大きく下落した。ドルは最近の最安値を更新したものの、価格は時間とともに値を上げて、結局はレンジ相場を脱するには至らなかった。
取引は見送った。
8月30日(水)
北朝鮮のミサイル発射から一夜明け、そのミサイルがICBM(大陸間弾道ミサイル)ではなかったこともあり、国際的な北朝鮮に対する緊張感は前日よりも落ち着いた。日経平均株価も回復して、ドル円相場も上昇した。チャートを見て、これは上昇トレンドへ転換しているかもしれないと思ったが、明日の日足を見てから判断しようと、取引は見送った。
8月31日(木)
前日の米国の経済指標の発表の影響を受けて、円売りドル買いの姿勢が強まった。日足チャートでは、この日を含めて、4日連続で陽線(終値が始値より高かったときに、その差額分を白地で表したローソク足)が現れた。前日の段階でボリンジャーバンド(移動平均を表す線と、その上下に値動きの幅を示す線を加えた、価格の大半がこの帯の中に収まるというテクニカル指標)の0α線を上方向へ突き抜け、今日に至っては1α線を上方向へ突き抜けた。このことから、上昇トレンドへ転換したと考え、10時51分に110.556円で200ドルを「買い」で持った。逆指値はこの日の最安値110.199円で入れた。ただ、明日が米国の雇用統計の発表日であることが気がかり。
1ドル110.556円で200ドル買った。
保有建玉:買いポジション200ドル
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月31日現在 9674円
「有事の円買い」に、すぐに元の相場に戻ると判断(明治)
8月25日
この日の午後、1分足チャートを見たら、上昇トレンドができていたため、トレンドにそって「買い」を入れた。しかし、約5分後にトレンドのサポートラインをブレイク(サポートラインを割ったときのこと)したので損切りした。
109.664円で買い、109.635円で決済。
580円の損失。
しかし、この取引の数時間後、再び1分足で上昇トレンドができていたので、「買い」を入れた。とはいえ、直前の取引で起こったサポートラインのブレイクが心理的に怖かったので、少しの利益で決済。
109.636円で買い、109.651で決済。
300円のプラスとなった。
8月29日
この日は朝早くに北朝鮮がミサイルを発射し、急速に円高になった。しかし、この時間帯は寝ていたために取引できなかった。今回のミサイル発射でも、また「有事の円買い」(2017年4月、米軍のシリア攻撃や米朝関係の緊張の高まりを受けて為替市場で円高が進んだ。9.11米テロ事件以降、「有事の円買い」ともいわれるようになった)で円高に振れたが、すぐに元の相場に戻ると予想したため、「買い」を入れた。
108.853円で買い
8月30日
この日の朝、チャートを見たら、予想どおりミサイル発射前と同じくらいの値に戻っていたため、決済。しかし、自分が決済した後さらに値が上がっていたため、もう少しポジションを持っておけばよかったとも思った。
109.718円で決済。
1730円のプラス。
前週からの損益 1710円のプラス。
8月31日現在 1万2980円
「読み」的中も、振れ幅大きく「損切り」にかかって......(慶応)
8月24日(木)
ドル円、日経平均株価ともに小刻みに値動きしているが、底値に張り付くように推移していることから、いずれも「売り」圧力が高く、いつ本格的な下落がはじまってもおかしくはない状況ではないか、と読んだ。
ただ、この日は取引を控えた。
8月25日(金)
直近のドル円相場は108円50銭~110円付近の狭い値幅を上下していて、大きく動き出す前触れとしてはいいように思える。日経平均株価も、ドル円とよく似たようすで推移していて、「売り」圧力が強いとみた。
この日は21時30分(日本時間)に、米国の耐久財受注で大きな値動きを期待して為替相場を見ていたが、大して動かなかったため、取引することはなかった。23時の米連邦準備制度理事会(FRB)、イエレン議長の発言まで眠らずに取引していれば、結果論ではあるが、大きな利益を得られたはずだった。
結局、この日は取引を見送った。
8月28日(月)
今週は、水曜に米国の四半期GDP、木曜に欧州連合(EU)の消費者物価指数とカナダの四半期GDP、金曜に米国の雇用統計と失業率、景況指数の発表が予定されている。週後半に重大な発表が控えているため、週前半は様子見の相場になるのではないかとみて、この日は取引を見送った。
8月29日(火)
早朝、北朝鮮がミサイルを発射したことで、為替相場は円高へと振れた。これを受けて、さらなる円高を見越して、ドルを「売った」。その方向性は読みどおりだったが、下落の途中に上下の振れ幅が大きく、損切りにかかってしまった。
109円2銭で売り、109円7銭で買った。
1万264円が1万141円に減った。
8月30日(水)
この日は21時30分(日本時間)に米国の四半期GDPの発表があり、指標発表の直後に価格の上昇を確認後、さらなる上昇を期待して「ドル買い」を入れた。ただ、上昇の様相を見せたのは束の間のことで、その後はもみ合いの相場へと移行した。
1ドル110円26銭で買い、110円27銭で売った。
前日の1万141円から4円増えて、1万145円になった。
前週からの損益 119円のマイナス。
8月31日現在 1万145円。