完璧主義はタイミングを逸する
「6割主義」を考えていたら、子供の頃のことを思い出してしまいました。この石垣飛びの遊びで、なんとなく「6割主義」の効用がわかるでしょうか。
完璧主義はタイミングを失してしまうことがあるのです。なんでも完璧にやろうとしていると、次から次へと心配なことが現れて、何もできません。
もちろん、完璧に準備しなければ実行してはいけないことはいっぱいあります。たとえば宇宙ロケット発射などはそうでしょうね。少しでも見落としがあれば、宇宙飛行士の命にかかわりますから。
しかしあなたが関わり合っている仕事は、きっと先輩の考えでは「6割主義」のほうがいいんでしょうね。
これも参考になる考え方だと思いますが、どんな優秀なバッターでも「3割」しか打てないんですよ。
彼らは10割を打つという気持ちでバッターボックスに立つとは思います。しかし「7割」は失敗。「3割」しか打てないんです。それでも、これが最高のバッターなのです。
もし、彼が10割を打てないからといって、バッターボックスに入るのを躊躇していたら、監督は「なにやっているんだ! さっさと打て! アウトになっても構わないから。思い切ってバットを振るんだ!」と、大声で彼を叱咤激励するでしょう。
これが「6割主義」の神髄です。答えになりましたか? (江上剛)