2016年度の動画や音楽、ゲーム、静止画・テキストなどのコンテンツ産業の市場規模(売上高)は、前年度と比べて2.7%増の12兆3929億円だった。デジタルコンテンツ協会が2017年8月31日発表した。
5年連続で前年を上回る実績で、4%増となった2005年以来の伸び率を示した。あらゆるコンテンツでネット配信の比重が高まっている。
デジタルコンテンツ、市場全体の6割超に成長
コンテンツ別でみると、動画(テレビや映画など)が前年比2.0%増の4兆4613億円、静止画・テキストが2.1%減の3兆5897億円、ゲームは12.2%増の1兆9232億円、音楽・音声が0.5%減の1兆3809億円、複合型(静止画・テキストの範疇に収まらないインターネット広告やモバイル広告)が12.9%増の1兆378億円となった。
前年比でみると、ゲームや動画、複合型が増えた一方、静止画・テキストと音楽・音声は減少。なかでも、大きく伸びたのは、「ポケモンGO」などのヒットでオンラインゲームが20%伸びたほか、映画の興行収入(邦画)も「君の名は。」の大ヒットで23.5%伸びた。
メディア別では、新聞や雑誌(広告を除く)などのパッケージが4兆1909億円(前年比3.5%減)、放送(CATVなどを含むテレビ)が3兆7182億円(2.2%増)、オンラインゲームや電子書籍などのネットワークは前年比15.2%増と大きく伸びて2兆8479億円。劇場・専用スペースは1兆6359億円(1.6%増)だった。
前年比でみると、ネットワーク、放送、劇場・専用スペースは増加。パッケージは減少した。
一方、2016 年のデジタルコンテンツの市場規模は、前年比5.7%増の8 兆4156 億円と順調に拡大。コンテンツ市場全体の67.9%を占めるまでに成長した。デジタル化率が60%を超えて成長しているのは、テレビ放送のデジタル化が影響しているという。
コンテンツ別にみると、動画が2.3%増の4 兆2916 億円、ゲームが12.2%増の1 兆9232 億円、音楽・音声は0.6%減の9025 億円、静止画・テキストは15.2%増の2604 億円、複合型は12.9%増の1 兆378 億円だった。
コンテンツの「ネット流通」順調に拡大
それぞれのコンテンツにおけるデジタルコンテンツの割合を示す「デジタル化率」は、ゲームと複合型が100%、動画が96.2%、音楽・音声は65.4%、静止画・テキストは7.3%だった。
また、コンテンツ市場に対するネットワーク流通の割合を示す指標として「ネット化率」がある。2016 年のネット化率は、23.0%(2 兆8479 億円)と前年から2.5 ポイント増え、順調に推移している。
その内訳は、複合型が100%(1兆378 億円)、ゲームが66.5%(1 兆2797 億円)、静止画・テキストは7.3%(2604 億円)、音楽・音声が7.7%(1070 億円)、動画3.7%(1630 億円)となっている。動画区分のネット化率が小さいのは、放送の占める割合が大きいため。オンラインゲームやインターネット広告に加えて動画や音楽、電子書籍などの配信サービスが増加基調にあり、コンテンツ市場全体の伸長に大きく貢献している。
ただ、こうした調査結果にインターネットの掲示板などは、
「一部のヒット作品が潤っただけでしょ」
「クールジャパン(失笑)」
「ポケモンGOはもうオワコンじゃねえの? 今年の結果が楽しみだわ」
「コンテンツ産業の市場規模って12兆くらいなのか。でもこれ全業種合わせてこれだから、あんまたいしたことないかもよ」
「これホンマかぁ。成長... してないだろ。制作会社潰れまくってるやん」
といった冷ややかな声が少なくなかった。
キャプション ゲームが市場拡大に貢献!