無言で示す「気配り」の気持ち ネクタイ型のピンで表すのは......

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   友人から紹介されたある男性は、物腰が柔らかく細かい気配りをされる方です。

   仕事柄、全国各地を飛び回っているので、なかなか実際にお会いする機会は少ないのですが、ソーシャルネットワーク・サービス(SNS)の投稿などを拝見すると、いつも多くの方に囲まれて、皆さんからのコメントも多数。私も貴重なアドバイスをいただき、よいご縁をいただけたと感謝しています。

  • ネクタイ姿でピリッと!
    ネクタイ姿でピリッと!
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ノーネクタイのときは必ずつける

   投稿された写真の彼のジャケットのフラワーホールには、いつも可愛らしい布製のネクタイの型をしたピンが付いています。

   なぜネクタイのモチーフなのかずっと気になっていたので、思い切って聞いてみました。

   答えは「クールビズでノーネクタイがあたりまえだが、自分の仕事は人前に出る機会が多いので、どのような人と会っても失礼がないよう、ジャケットにネクタイ型のピンをつけることで敬意を表している」とのこと。

   内心、気に入っているからとか、珍しいからなどとおっしゃるだろうと思っていたのですが、まさかこのような返答があるとは驚きました。

   ちなみに、冬場はシャツにネクタイ、ジャケットの組み合わせが基本で、インナーがニットなどのノーネクタイになる際は、やはりジャケットにネクタイ型のピンをつけるのだそうです。

夏場のジャケットは素材にも気配り

   さらにうかがったところ、夏場のジャケットはシワにならない上質の素材で仕立てるそうです。仕事での移動が多い彼は、着用するよりも持ち歩く時間が長いため、シワがつきやすくなるからとか。

   たしかに私もジャケットは常に携行して、訪問先の入口で着るようにしていますが、気をつけて持っていても、どうしてもシワが気になります。もう少し素材にこだわらないといけないと反省しました。

   彼のこのような気配りは、わざわざ口に出して言うことはなくても、間違いなく主催者や参加者の皆様には伝わっているのだと思います。

   もちろん、話の内容は楽しく勉強になる事柄ばかりですが、多くの方からリピート要請があるのは、このような小さな気配りの積み重ねとすべての人に感謝と敬意の気持ちで接する態度が徹底されているからだと思います。

   同じく人前で話す立場の人間として、自分を振り返る機会となりました。(篠原あかね)

篠原あかね(しのはら・あかね)
リクルートにて企業研修アシスタント、金融機関等での役員秘書を経てビジネスマナー講師として活動。2011年よりスマートコミュニケーションズ代表。ビジネスマナー、コミュニケーション、CS向上等の企業研修のほか、自身の宴会幹事経験をもとに「愛される宴会部長セミナー」も主催。著書に『宴会を制する幹事は仕事も制す。』『マンガ 黄金の接待』(監修)などがある。お客様や社内で愛されキャラになるコツを悩める社会人へ発信中。
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