農林水産省の「台風3号および梅雨前線による6月30日からの大雨による被害状況」によると、2017年6月末から8月21日までの農林水産関係の被害額は931億6000万円だった。2017年8月21日に発表した。
7月に発生した九州豪雨や8月の秋田豪雨などが主な原因だが、被害地域は全国の35道府県と広範囲に及んでいる。
被害大きく、野菜やコメ価格への影響懸念
全国各地で相次いでいる記録的な大雨が、農林水産業に大きな被害をもたらした。7月の九州豪雨のほか、今年は東北地方や北陸地方を中心に梅雨前線が居座った。
農林水産業の被害額の内訳をみると、農作物は38億8000万円。農業用ハウスや共同利用施設などの農作物全体でみると71億9000万円にのぼった。また、農地は254億4000万円、農業用施設は235億2000万円で、農地・農業用施設の全体では489億6000万円だった。
林野関係では、林地荒廃で269億9000万円、林道施設では86億1000万円で、林野関係全体では364億4000万円。さらに、水産関係では養殖施設や漁港施設などの被害を合わせて5億8000万円にのぼった。
一概には比べられないが、2016年6月6日から7月15日までの豪雨による被害は609億2000万円だったことから、17年の大雨や暴風雨の被害額はより大きかった。今後、野菜やコメの価格への影響が懸念されている。