8月に入って雨模様が続く首都圏。ぐずついている天気にはうんざりだが、この夏の日照不足が夏物商戦などの消費支出を鈍らせていることが、第一生命経済研究所の調査でわかった。2017年8月17日に発表した。
日照時間と家計消費支出には連動性があり、2017年7~9月期の日照時間が10%減少すると、家計消費支出が0.4%程度押し下げられる計算になるという。
農作物やレジャーなどに影響及ぼす
第一生命経済研究所の試算によると、この7月は東京・大阪の日照時間が平年より16.5%多かったことから、7月の家計消費を0.6%増(1236億円増)押し上げた計算。しかし、すでに8月前半の東日本の日照時間は平年より6割程度少なかったことから、仮に8月後半が平年並みだったとしても、8月の家計消費は0.6%減(1122億円減)程度押し上げられ、7月のプラスをほぼ相殺する計算になる、としている。
首席エコノミストの永濵利廣氏は、8月21日のJ‐CASTニュースの取材に、「天候不順は夏物商売や農作物などに影響を及ぼすからだ」と、消費支出のマイナス要因について説明した。
夏の低温や日照不足は、ビールやアイスクリームなどの、いわゆる夏物商戦に悪影響を与えるほか、海水浴やプールといったレジャー施設の人出にも影響する。さらに、日照時間が十分でないと農作物が育たなくなり、その結果、「農作物の値段が上がるので消費者は手を出さなくなる」と話した。