会社がほしいのは、あなた? それとも......
以前、韓国のサムスンに転職した日本人技術者を取材したことがありました。
サムスンは、猛烈な勢いで発展しましたが、その陰には多くの日本人技術者の力があったのです。
彼らは日本経済が低迷する中で、成長するサムスンの誘いを受けて、韓国に渡りました。
私が会った技術者は、疲れた顔で言いました。「死屍累々」と。
サムスンは、日本人技術者の頭の中にある高度な情報を絞れるだけ絞り取ると、「もう用はない。クビだ!」とリストラするのです。彼は、何人もそうやって再び日本に帰国した技術者をたくさん見てきたようです。彼はなんとか生き残って、サムスンの子会社の役員を務めていましたが、あまりの社内競争の激しさに疲労困憊していました。
あなたが転職される会社が、あなたの人柄や全人格を評価して迎え入れてくれるならOKですが、そうではなく、あなたの頭の中にある技術情報だけをほしいと思っているなら、相当高く吹っかけて転職しましょう。
それであれば、情報だけ絞り取られてポイ捨てされても納得できるでしょうから。(江上剛)