大手メーカーまでも「言い訳」
でも、以上の二つはそれほど大きくはない会社の商品である。効かなかった場合に責任を追及されたくないという気持ちも分からないではない。
だが、味の素株式会社という大企業も同じことをやっている。「睡眠のためのサプリメントで 日本初 機能性表示食品」なる触れ込みの「休息サプリ」である。
やはり朝日新聞の全面広告で、「『休息サプリ』を飲んでからはぐっすりと眠れて、朝からすっと気分よく始められます。おかげで、色々なことに前向きにチャレンジできています。男性/59歳」といった3人の「喜びの声」が載っている。
そのすぐ下には、これもまた見逃してしまいそうな小さな字で、「お客様個人の感想です。実感には個人差があります」と続く。
この種のものは新聞の広告だけに登場するのではない。テレビでも同じである。そして、テレビの場合はあっという間に字が消えてしまうから、新聞広告よりズルいと言えるかもしれない。
こうした「言い訳」「責任逃れ」は、サッカーで言えば「イエローカード」であろう。消費者がこれらに立ち向かうにはどうすればいいのか。それは案外に簡単で、「個人の感想」なぞと書く商品は買わないようにすること―― 。それに尽きるのではないか。(岩城元)