成長力ある企業が続々 意外と「稼げる」ソーシャルビジネス(高城幸司)

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社会問題の解決と事業をつなぐもの

   ただ、社会問題の解決を事業として取り組み、継続するのは簡単ではありません。社会問題だから何としても役に立ちたい。何ができるかわからないけど、現場に行って、この目で確かめたい。と社会問題に関わる人たちから耳にする声です。

   でも、継続的な解決につなげたいなら、のめりこむだけでなく、冷静にビジネスとして何かできるか? 分析力と課題解決力に加えて、発想力が必要。ゆえに、思い立ったら会社を起こすのではなく、一緒に会社を立ち上げる仲間(人材)と資金に売り上げにつながる販路を準備してから着実に立ち上げる周到さを持ちたいもの。

   あくまでビジネスとして収益を得ることができないと、社会貢献は継続できません。社会問題の解決と事業をつなぐためには考える時間を費やすべきなのです。

   そうすれば、ソーシャルビジネスは意外と「稼げる領域」といえるかもしれません。ちなみに、ソーシャルビジネスで大きな収益を出して、株式公開を目指すような企業がいくつも出てきています。

   たとえば、オーガニックハーブのフェアトレードや、消費者の使い捨て意識を変えるためのユーズド子ども服の買い取りなど、さまざまな社会問題を事業化しているボーダレスジャパン社は増収増益で30億円以上の売り上げ規模にまで成長。150人以上の従業員を雇用するまでになっています。

   もし、みなさんが新しいビジネスを考えるときにソーシャルビジネスを領域のひとつに考えてみてはどうでしょうか? (高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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