給料がよくて、仕事にやりがいがもてる。さらには職場の人間関係も悪くない。そのうえキャリアアップができるなら最高──。誰しも、そんな会社があれば申し分ないはず。
ところが、それが世の中には首をかしげたくなるほど、「待遇がよすぎる」会社があるらしい。
社員旅行は海外、資格取得やおしゃれにも「手当」
あるデザイナー職の20代女性が、Q&Aサイト「教えてgoo!」に「待遇がよすぎる会社の求人は危険ですか?」との質問を書き込んだ。その女性は、転職サイトを通じて就職活動中だが、応募するやいなや、とある会社からコンタクトがあった。
「普通は転職サイトから連絡が来るのでは...... 応募当日に連絡が来るなんて珍しいな」と思いつつも、面接日の相談をすることに。女性が、在職中のため平日の20時以降か土日しか身動きが取れない旨を伝えると、休業日である土曜日に面接をしてくれることになった。
電話口での先方の応対は明るく丁寧で、好印象。しかも社員旅行は海外、資格取得の勉強をしたり、おしゃれをしたりするための手当も用意されており、何より「デザイナーとして独立、スキルアップするためにはもってこいの環境」らしい。
残業もなく、自分の時間もしっかり取れる...... とまで聞いたところで、女性は「待遇がよすぎて、怖い」と感じてしまった。
その会社が設立5年目にして、従業員が社長と1年目のアシスタント職の2人しかいないことも気になる。
女性の、
「まるで夢のような環境なので、裏に何かあるのではと不信感を抱いてしまいます。客観的にみて、好条件ばかり並べた求人はどう感じますか?」
との問いかけに、さまざまな回答がよせられた。
多かったのは、
「まともな業務内容を言ったら、誰も応募してくれないからです。ブラック企業のやり方では」
「待遇面の、『残業なし』は『持ち帰りあり』では? 同様に『高給料』は『ノルマあり』、『福利厚生』は『時間的に利用できず』、『社員旅行』は『他の人との予定が合わず無理』かもしれず、『勉強・おしゃれ手当』ぐらいはあるにしても、『独立・スキルアップを目指すにはもってこいの環境』は『その会社が下請けとして抱える』ということかもしれません」
「従業員が社長を含めて2人というのは、家族とか愛人とかそういう関係なのかな? と思ってしまいます。もちろん労働組合もないでしょうから、入社後に給与の変更があっても泣き寝入りするしかありません」
などと、「訳アリ」を心配する声だった。
自分の目で確かめてみては!?
寄せられた回答の中には、
「社長の名前でネットを検索したら? 利益が出ている会社ならヒットするでしょうし、新規事業なら現在、人員を募集しているところでしょう」
「会社のホームページはありましたか? ないなら要注意です」
と、見分け方を指南する声も。
また、いずれにせよ
「転職なので、いろいろつっこんで聞いていいと思いますよ。転職はステップアップのためにするものなので」
「行くだけ行って、様子をみてもいいんじゃないでしょうか。個人的には事実とは異なっても、もらえるものがしっかりともらえるなら、それでいいかなと思います。過渡期の忙しさは大いに勉強にもなります」
と、まずは「自分の目で確かめる」ことが大事との回答もあった。
こんな回答に、その女性は、
「以前もやばい! と思った会社は試用期間中に退社しました。同じことは何度も繰り返したくないので、今回はしっかり面接で見極めようと思います。少しでも引っかかる部分があったら、今の会社でやっていくつもりです。今の会社も悪くはないのですが、経営不振でお給料がまともにもらえなくなっているので...... 倒産するまで頑張ってみます」
と、意を決したようすがうかがえる。
いずれにしても、なかなか厳しい状況に身を置いているようだ。