2016年の国内ワインの出荷量が9年ぶりに減った。ワイン大手のメルシャンによると、国産と輸入を合わせた出荷量は36万4644キロリットルで、前年比3.8%減った。
内訳をみると、国産は前年比0.6%減の11万2112キロリットル。輸入ワインは5.2%減の25万2532キロリットルと大きく減らした。
チリ産ワインに一服感
ここ数年来続いてきた、低価格のチリ産ワインのブームに一服感が広がっている。国内向けに出荷されたワインは、2015年に37万9196キロリットルと過去最高を記録。チリ産ワインは15年に国別輸入量のトップに躍り出るなど、その勢いをけん引していた。
2016年のチリ産ワイン(スティル=非発泡性ワイン)は、5万535キロリットル。前年から2.1%減った。
輸入量第2位のフランス産は、前年比11.3%減の4万5711キロリットル。イタリア産(3万2093キロリットル、7.4%減)やスペイン産(1万9403キロリットル、4.0%減)、オーストラリア(6922キロリットル、0.3%減)も、軒並み減少した。
ただ、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効すれば、現在15%または1リットルあたり125円の関税が課されている欧州産ワインの輸入関税は、即時撤廃される。フランスやイタリア、ドイツなどの欧州産ワインの輸入量の増加に期待がかかる。
国産ワインで十分うまい!
そうしたなか、2017年8月14日のインターネットの掲示板などには、
「なんでも国産にしなくていいよ。安くてうまい海外産で十分」
「欧州とのEPAでフランス、イタリア、ドイツ、スペインのワインたくさん飲みたい。とくにドイツワインが1番気になる」
「チリから南アフリカやニュージーランド、オーストラリアに移行してる気がする。チリ産は味が落ちてないか?」
「正直、1000円以下の国産ワインで十分うまい」
といった声が寄せられている。
「うまさ」では、国産ワインも引けをとらないとの評価もあるようだ。