国や東京都と経済界が連携して推進する「テレワーク・デイ」が、2017年7月24日に開催された。3年後のこの日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開かれるのを契機に、政府が掲げる「働き方改革」の国民運動を展開する。
多様な働き方のひとつとして注目を集める「テレワーク」は「tele=離れた所」と「work=働く」をあわせた造語。交通機関や道路が混雑する始業から10時半までに、一斉にテレワークを実施する企業を募集した。ただ、残念ながら、その認知度は低いらしい。
テレワークで勤務、わずか5%
テレワーク・デイの実施前にあたる2017年6月1日~30日、人材採用や入社後活躍をサポートするエン・ジャパンが「エン転職」の利用者9586人を対象に調査したところ、「『テレワーク』という働き方を知っていますか?」という質問に、「知っている」と答えた人は41%だった。
認知度の低さは、自身が勤務する会社に制度として取り入れられていないことが原因なのか――。「テレワークの制度を使って働いたことはありますか?」との問いに、「ある」と答えたのは、わずか5%だった。
数少ない経験者が「テレワークを利用して働いた理由」の1位は、「外出が多く、仕事の効率化のため」が46%。次いで「業務に集中することができて生産性が上がるため」が29%、「通勤時間を短くしてプライベートを確保するため」は28%だった。
また、「出産・子育てのため」「病気や怪我などの治療のため」がそれぞれ9%、「介護のため」5%、「その他」16%となった。
ツイッターをみると、
「おはようございます。今日は次男の運動会の振替休みのため、テレワークにさせてもらいました。休んであげたいけど休めない、でもせめて家にいてあげられるから、うれしい。仕事頑張る」
といった、テレワークを活用している人の声がみられた。
テレワークの仕組みがない、わが社も参加?
また、「引き続きテレワークで働きたいと思いますか?」という質問には67%が「はい」と回答。その理由としては「通勤時間分を有効に活用できる」「子育てや介護との両立がしやすくなった」といった声が多かった。
一方、「働きたくない」と答えた13%の人の中には、「仕事とプライベートのメリハリがつかない」「時間外労働が助長される」といった難点をあげる人もいた。
ツイッターには、
「今日はテレワーク・デイなんだとか。わが社も参加してるらしいけど、テレワークの仕組みが何も用意されていない状況で『午前中はテレワーク!在宅勤務推奨!』と号令かけても、ただの朝寝坊の言い訳にしかならないよ。で、夜残業するとか... 意味わからない」
「テレワーク・デイって何? 日付固定で一斉にテレワークするとかまるで意味なくない? それができるなら本来のオフィスが必要ない仕事なのでは?」
「私は正社員ではないからテレワークなんて全然関係ないし(笑)」
「どうせ東京都だけ。地方在住の人間にはまったく関係ない話ですね」
「個人商店主にもほとんど関係ないし、フリーランスに至っては毎日がテレワークではないか。何がしたいのかよーわからん。お役所と大企業が出社しないですむ方法ってことですかね」
と、冷ややかな声が大多数を占めていた。
ちなみに「テレワーク月間実行委員会事務局」の調査によると、7月24日のテレワーク・デイを実施した企業・団体の登録数は637件、応援した企業・団体の登録数は290件の、合せて927件(一部重複あり)。実施予定者数は約6万3000人(登録された実施予定人数に基づき算出)だった。