東芝株、上場廃止なお懸念 東証、9月以降に判断
一方、東芝が2017年3月期決算の有価証券報告書を提出、決算を発表したことで、東芝株がすぐに上場廃止になる最悪の事態は回避された。
しかし、東芝は17年3月末時点で5800億円超の債務超過に陥っており、18年3月末までに解消できない場合は上場廃止となる。今のところ、半導体メモリー事業の売却先の選定が難航。債務超過を解消するめどは立っておらず、懸念が残る。
加えて、東京証券取引所が継続審査している東芝の過去の不正会計などに関する内部管理の課題がある。2015年に発覚した不正会計を受けて、東芝株は15年9月に内部管理に問題がある「特設注意市場銘柄」に指定された。16年12月に発覚した米原発事業の巨額損失問題を含め、内部管理に改善が見込めない、内部管理に関する監査意見が「不適正」と判断されれば、上場維持はさらに厳しい状況に追い込まれる。
東証は、9月以降に上場廃止の是非を慎重に判断する。