東芝、9656億円の赤字 17年3月期 国内製造業で最大規模

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   東芝が2017年3月期連結決算を、3か月ほど遅れて8月10日に正式発表した。最終利益は、米原子力事業の巨額損失などで9656億円の赤字を計上。国内製造業で過去最大級の規模とされる。

   あわせて、監査法人のPwCあらたが有価証券報告書について、米原子力事業の損失評価を除き、決算は「重要な点において適正に表示しているものと認める」として「限定付き適正」を表明したことを受けて、東芝は金融庁に有価証券報告書を提出した。

  • 大きく債務超過になっている東芝
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半導体メモリー事業の売却先 日米韓連合、台湾・鴻海?

   東芝とPwCあらたは、米原子力事業での巨額損失を把握した時期をめぐって意見が対立。決算発表が遅れていた。8月10日の記者会見で、東芝の綱川智社長は「決算が正常化したことで、課題のひとつが解決した」と述べた。

   また、経営再建のため、売却が決まっている半導体メモリー事業について、その売却先として「産業革新機構(など日米韓連合)以外とも並行して交渉している」と話した。米ウエスタンデジタル(WD)を含む、政府主導の日米韓連合や台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が選択肢にあがっていることを明かした。

   2017年3月期の連結決算は、売上高が4兆8708億円、営業利益が2255億円、最終損益が9657億円の赤字だった。

   あわせて発表した17年4~6月期の連結決算は、売上高が前年同期と比べて8.2%増の1兆1436億円、営業損益が5.9倍増の966億円の黒字で、第1四半期としては過去最高を記録した。純損益は36.9%減の503億円の黒字だった。

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