経営が悪化している中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は、生産拠点の統廃合と、国内外でグループ従業員の3割弱に当たる3700人規模の人員を削減する再建計画を、2017年8月9日に発表した。再建計画に伴うリストラ関連費用として約1700億円の特別損失を計上する方針。
2018年3月期の業績予想は公表しなかったが、最終損益は4年連続の赤字が確実な見通しだ。
東入来会長と有賀社長の役員報酬、来年3月まで20%カット
経営再建策と2019年度までの中期経営計画では、液晶パネルから次世代の有機ELパネルへシフトする。そのために生産拠点を再編。液晶パネルを生産する石川県の能美工場(能美市)を12月に停止し、従業員を白山工場(白山市)などに配置転換する。また、石川工場(川北町)内の有機EL試作ラインを廃止。茂原工場(千葉県茂原市)に一本化する。
海外の工場も統廃合する。それに伴い、約3500人を削減。国内でも240人の希望退職者を募る。削減する約3700人は、グループ従業員の3割弱に当たる。
東入来信博会長と有賀修二社長の役員報酬を、2018年3月まで20%カット。財務改善に向けては、外部資本の導入を念頭に、グローバル企業とのパートナーシップ構築を目指すことを表明した。
8月9日に開かれた記者会見で、東入来会長は「構造改革をやり遂げ、2019年度に400億円の営業利益を目指す」と語った。
JDIは、政府系ファンドの産業革新機構が筆頭株主で、日立製作所や東芝、ソニーが事業を統合して2012年4月に発足。しかし、経営合理化の遅れや液晶パネル事業の環境悪化から経営難に陥っている。