皆がバラバラ、好き勝手 そんな時にリーダーがやるべきこと?(江上剛)

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稲森氏がJAL再建で言ったこと

   仕事を上手に動かすためには、「Plan Do See(プラン・ドゥ・シー)」というサイクルがあります。

   プロジェクトのメンバーを集めて、プランを立て、それを進め、進捗状況を管理する。これを進めていけばいいでしょう。

   とにかく、みんなが同じベクトルを向くというのが大事です。

   私は「翼、ふたたび」(PHP出版刊)という小説で日本航空(JAL)の再建を描きましたが、そこに京セラを創業した稲盛和夫氏をモデルにした人物を登場させています。稲盛氏はJALの再建を請け負った人物です。

   彼は繰り返し、社員たちに「同じベクトルに向かおう」と言ったのです。時には叱り、時にはコンパと称する車座の飲み会で、この言葉を繰り返しました。

   じつは、会社再建のためにやるべきことは多くありません。ただ一つ、お客様に役立つ会社であるのかということだけです。お客様の役に立つ会社なら、お客様がついて来てくださり、再建ができるのです。

   そのために、どうしたら同じベクトルに向かうことができるのか、皆で考えねばならないのです。ベクトルの向かう先にはお客様の笑顔があり、その先には再建の喜びがあるのです。こうしてJALは再建できました。

   あなたもメンバーと真剣に、からだを張って、同じベクトルに向かおうと話し合うべきです。プロジェクトの必要性を、皆で認識して共有できたら、後はプラン・ドゥ・シーを、あなたが動かせばいいだけです。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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