もう最悪、人手不足に会社は応援ナシ! 「助けてください」(江上剛)

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飲食店チェーンの店長です。アルバイトの使い方で悩んでいます。学生が多くを占めるのですが、人手不足で仕事が回りません。人数はそろえているのですが、出勤できる日が偏るのです。主婦やフリーターなどのアルバイトを採用したいのですが、希望者はなかなか現れません。働いているアルバイトの中には融通を利かせてくれる学生がいないわけではないのですが、本部はこうした実態を理解してくれず、応援をお願いしても動いてくれません。本部を説得するにはどのように働きかけるのがいいと思いますか。

   飲食店、コンビニエンスストアなどの人手不足は最悪です。

  • 店長! 一人で抱え込まないで!!
    店長! 一人で抱え込まないで!!
  • 店長! 一人で抱え込まないで!!

本部は正社員にシワ寄せしているだけ

   これはあなた一人では解決できないでしょう。きわめて深刻な事態だと思いますよ。

   私の本で申し訳ないのですが、あるハンバーガーチェーンを取材して「ブラックカンパニー」(光文社刊)という小説を書きました。

   この本は、内容は明るく前向きに書いてはいますが、ハンバーガーチェーンの仕事の、あまりのブラックぶりに身体と精神を壊してしまった店長経験者から、実際に詳細な話をうかがって書いたものです。

   その彼もアルバイトの人繰りに苦労して、深夜まで登録されたアルバイトに出勤依頼の電話をかけまくったり、彼らの時間外労働の賃金を自分で立て替えて見かけ上は人件費を抑えたり、本部が要求する商品の売り上げ目標の達成にアルバイトにも協力してもらうため、自分で自分の店の商品を買ってアルバイトが買ったことにしたり......。

   こうした実態を、本部は十分に承知していますが、アルバイトにシワ寄せできない分を正社員にシワ寄せしているだけなのです。

   ですから過労死が絶えないし、アルバイトから正社員になってもなんの喜びもないのです。

   見かけだけの「なんちゃって店長」などと言われ、疲弊していくだけです。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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