東京都内を中心にバスツアーを展開する「はとバス」の東京観光コースの利用者数が、2016年7月1日~17年6月30日の1年に、93万4306人にのぼった。はとバスが7月13日に発表した。
前年同期と比べて9.6%増。バブル期(1989年)の94万4872人に迫る数字となり、絶好調。その一方、コース別でみていくと、明暗がくっきり分かれる結果にもなった。
中国人観光客の獲得に苦戦
東京観光コースをカテゴリー別でみると、昼コースが71万8173人(前年同期比22.5%増)、夜コースが11万8630人(14.5%増)と、利用客数の増加に大きく貢献した。
好調の主な要因は、伸長する国内需要をうまく取り込んだことがある。16年4月から一般公開が始まった赤坂離宮迎賓館や、同7月に世界文化遺産に登録された国立西洋美術館など、話題の施設を組み込んだツアーを数多く販売したことが当たった。
また、利用者から人気の2階建オープンバスの台数を増やすなど、次々と施策を打ち出したことが功を奏した。
ただ、一方で懸念もある。訪日外国人向けコースは、前年を5.6%下回る8万3879人。団体での貸切利用は1万3624人(15.4%減)と苦戦した。
訪日外国人向けコースを言語別でみると、「英語コース」は6万8612人と前年とほぼ横バイだったものの、「中国語コース」の落ち込みが深刻で、前年の2万1731人から1万5267人と、大きく減少した。