「小さな習慣、大きな成果」 これで解決!「3日坊主」のあなたの英語(20)

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   あなたが英語に挑戦して、なぜ「3日坊主」で終わってしまうのか、わかりますか――。

   今回は、米国の人気ブロガーが唱える「小さな習慣」の効用を、英語の学習に応用してみました。これまで、あなたが挫折してきた理由が見えてくると思います。

  • なかなか、長続きしません……
    なかなか、長続きしません……
  • なかなか、長続きしません……

「とりあえず、朝30分」がTOEIC高得点につながった

   あなたは、何かにチャレンジする時に、どんなスタンスでのぞんでいますか?

□ 毎年、新年の抱負を掲げている
□ 大きな目標にチャレンジするのが好きだ
□ 目標達成には、モチベーションが大事
□ 「よし、やるぞ!」とやる気に頼るタイプだ
□ 多少無理をしても、大きな達成感を味わいたい

   米人気ブロガー、スティーヴン・ガイズ氏は著書『小さな習慣』(ダイヤモンド社)で、「小さな行動」の効用について解説しています。

   「1日腕立て伏せ1回」の「小さな習慣」から始めて著書を出版するという目標を達成した筆者のセオリーに、私は何度も「そうそう、その通り!」と、膝を打ってしまいました。 ありとあらゆる英語教材に手を出しては長続きしなかった、そんな私の英語体験に当てはめながら、いくつかポイントを抜き出してみました。

(1)「小さすぎて失敗できないポジティブな習慣」で大きな効果

   筆者によると、「ちょっとしたポジティブな行動」を「毎日これだけはやる」と決めて、気軽に取り組むことがポイントだそうです。「小さすぎて失敗すらできない」ほどささいな行動でも、習慣化することでびっくりするほどの効果が得られるとか。

   私が「英語のやり直し」を決意した時に、一番こだわったことが「効率」でした。ムダを断捨離して「やること」を絞りこむ。その中で、学習時間を「朝の30分」だけに限定。「やること」も「勉強時間」も限界まで「小さく」することで、短時間で集中することを意識しました。

   最初のうちは「朝30分だけ早く起きる」ことを目標にしていましたが、そのうちに「30分間でできること」が少しずつ増えてきました。気がつくと、朝、出社前に英語にふれないと落ち着かない「体質」になっていましたから、「習慣」の威力はスゴイのです!

   初受験からたった1年で、TOEIC L&Rで970の高得点を取れたのは、「30分だけ早く起きる」という小さな行動が「習慣」になって、大きな力を生み出したからだと思っています。

(2)「意志」は筋肉と同じように鍛えることができる

   英語の学習はスポーツのトレーニングに似ています。

   筆者は、「1日20分の運動を習慣にすれば、筋力がついて体形を変えられる」ように、「小さな習慣を続けることで、意志の力も筋肉と同じように鍛えることができる」と言います。

   スポーツも英語もトレーニング(学習)を続けるためには「意志」が必要だと思っていましたが、逆に「小さな習慣」を続けることで意志を鍛えられる、という発想は目からウロコでした。

   「わずかな意志で小さな行動」を繰り返すうちに、「強い意志」が鍛えられて大きな成果を得られる、という「好循環」が生まれるのですね。たしかに私も、「朝30分」の習慣を続けることで意志が鍛えられました。飽きっぽい性格でしたが、忍耐力がついたと思います。

大きな目標はもたないほうがいい

(3)モチベーションよりも「意志」が大事

   筆者は「モチベーションを上げたいと思ってはいけない」と言います。モチベーションは強い「感情」であり、結局は「気分」に左右されるから、という理由ですが、私もまったく同感。これまでの経験から「やる気」は当てにならない、と痛感しているからです。

 

   ムラのある「やる気」よりも、冷静な「意志」のほうがよほど信用できます。

   「よし、やるぞ!」といくら「やる気」を出しても続かなければ意味がない。これまでの人生で「やる気」が2週間以上続いたことは...... 恥ずかしながら、一度もありませんでした。

(4)たくさんやろうと頑張ると、かえってできなくなる

   私がもっとも共感したのが、「たくさん頑張ろうとすると、かえってできない」というセオリーです。まさに最近も、欲を出して失敗したところだったからです。

   アラフィフになってオンライン英会話にはまっていることは、以前にこの連載でご紹介しました。ところが、1日1レッスン(25分)のノルマでは物足りずに、欲を出して1日2レッスン(50分)に増やしたとたんにブレーキがかかってしまいました。

   予想以上にハードルが高くて、「今日は時間がない」と、ゼロレッスンの日が続いたのです。ふたを開けてみたら、1レッスンずつコツコツと受講していた時のほうが、たくさんレッスンを受講できていました。

   1日たった25分レッスン時間が増えただけですが、この差は大きかった。25分ならスキマ時間でやりくりできますが、50分は無理。精神的にも肉体的にも負担にならない程度の「小さな習慣」にこだわる大切さを痛感して、今はまた「1日1レッスン」に戻って毎日コツコツやっています。

   「やる気」にこだわって大きな目標を追い求めることが、3日坊主を招きます。小さな行動を続けることの大切さに、あらためて気づかされました。(井津川倫子)

今週のニュースな英語
~ G20会場を抜け出したトランプ大統領が会っていたのは? ~

   ドイツ・ハンブルグで開かれたG20で、米国トランプ大統領の席に代役として長女イバンカ氏が座る一幕があり、物議を醸しています。中国の習国家主席と英国のメイ首相と並んで座ったイバンカ氏に疑問の声が殺到しましたが、トランプ氏がツイッターで、こう反論しました。

   When I left Conference Room for short meetings with Japan and other countries, I asked Ivanka to hold seat.

   (私が日本や他の国とのミーティングで席をはずしているあいだ、イバンカに席に座るよう頼んだ)

   えっ、トランプ氏が離席したのは、日本との会合に出席するため? ということは、安倍首相も一緒に離席していたということでしょうか?

   BBCは、トランプ大統領はインドネシア大統領に会っていたと報道していますが安倍首相にはひと言もふれていません。日本のメディアもしかり。

   もしかして、トランプ大統領の記憶違い?

   謎は深まるばかりです。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。TOEIC(R)L&Rテストの最新スコア970点。これまで英検、TOEIC、TOEFL、IELTSをすべて受験し、GMATにも挑戦。30年近く仕事をしながら英語を学び、海外駐在員として滞在したロンドンでは、イギリス式の英語学習法も体験した。「いくつになっても英語は上達できる」をモットーに、40代での英語やり直しを提唱している。現役ビジネスパーソンならではの実践的なアドバイスが「役に立つ」と人気。
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