育休前後の配置換え、違法かも... 会社としっかり話し合って(江上剛)

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毅然とした態度で臨む

   その彼女は、不本意だったようですが、訴えたり辞めたりすることもできず、そのまま配置換えに応じました。今は、割り切ってその仕事に取り組んでいますが、彼女のキャリア形成という点では問題です。彼女に不利に働いています。

   これでは彼女に続いて産休・育休を取得しようとする女性たちが現れません。日本の少子化問題の解決はほど遠いようです。

   私は、あなたを応援します。

   評価を下げて、配置換えを指示する上司に「自分のキャリアについてどう考えるのか」と、きちんと話し合いをすべきでしょう。

   もし、上司があまりに頑なであれば、弁護士に相談してもいいではないですか――。あなたに続く女性たちのためにも、ここは毅然とした態度を取られるほうがいいのではないでしょうか。

   決して我儘ではありません。

   きちんと話し合えば、上司も女性のキャリア形成を支援するほうが、会社のためになると理解してくれるかもしれません。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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