上場企業の2017年3月期決算で、1億円を超える報酬を受け取った役員は221社の457人にのぼった。前期の414人を上回り、過去最高となった。
企業情報の東京商工リサーチが2017年6月30日17時現在で、17年3月期決算の有価証券報告書で確認できた2426社をまとめた。この3月期決算は、上場企業の純利益が過去最高を更新するなど、好業績が追い風になったとみられる。
最高額、元ソフトバンクのニケシュ・アローラ氏 103億円
1億円を超える役員報酬の開示は、「改正企業内容等の開示に関する内閣府令」に基づいて、2010年3月期決算から、役員報酬の総額や報酬などの種類別(基本報酬と賞与、退職慰労金、自社株を購入できる権利のストックオプションなどの区分)の総額を、有価証券報告書に記載することが義務付けられた。
最高額は元ソフトバンクグループ副社長のニケシュ・アローラ氏で、報酬総額は103億4600万円にのぼった。アローラ氏は、自身がもっていた国内企業の役員報酬の過去最高額(64億円)を更新した。アローラ氏は副社長としてソフトバンクの孫正義社長の後継候補と目されていたが、トップの座を譲る時期などで折り合いがつかず、16年6月に退任している。
次いで、2位もソフトバンクグループ。ロナルド・フィッシャー氏の24億2700万円だった。3位は、ソニーのマイケル・リントン氏の11億4000万円、4位に日産自動車のカルロス・ゴーン氏の10億9800万円。5位が武田薬品工業のクリストフ・ウェバー氏の10億4800万円と、1~5位は外国人経営者が占めた。
日本人1位(全体では6位)は、ソニーの社長兼最高経営責任者(CEO)、平井一夫氏の9億1400万円だった。
7位は、ケーズホールディングスの加藤修一氏(8億9400万円)、8位はユニバーサルエンターテインメントの岡田和生氏(8億3500万円)、9位に日本調剤の三津原博氏(8億1300万円)、10位がユニバーサルエンターテインメントの富士本淳氏(7億4300万円)と続く。
好調な電機メーカー、パナソニック1人から10人に
東京商工リサーチによると、役員報酬1億円以上の個別開示を実施した221社(人数457人)のうち、個別開示人数が最も多かったのは三菱電機の22人。前年から1人減少したが、2014年3月期以降、4年連続でトップ。また、3年連続で20人台に乗せた。
次いで、伊藤忠商事が11人。ファナック、ソニー、パナソニックがそれぞれ10人。東京エレクトロンは9人だった。
さらに、大和証券グループ本社、野村ホールディングス、バンダイナムコホールディングス、日立製作所、大和ハウス工業、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は、それぞれ7人で続く。
伊藤忠商事のほか、ソニー、バンダイナムコホールディングス、日立製作所、大和ハウス工業、三菱UFJFGなど28社で、開示人数が前年を上回った。なかでも、ソニー(3→10人)やパナソニック(1→10人)など、電気機器メーカーで開示人数が大幅に増えた。
こうした結果に、インターネットの掲示板などには、
「こんなに金儲けてなにするんだろうな... まっ持ってて損はないかw」 「上場企業の社長の大半が年収1億に届かないのか。格差社会だなあ」 「役員報酬は下げられるしゼロにもできる。社員の給与は下げられないしクビにもできない。最初から保障されてる部分が全然違う」 「おこぼれでいいwww」 「アベノミクスの成果だなw」 「社員からは不満ばかりたろ? 金はあの世に持ってけないぞ」
といった声が。うらやましがったり、やっかんでみたりしている。